塾(第7回)
内閣府が発表したポテトチップの発がん性
「子供が大好きなポテトチップスにも、発がん性物質が含まれている」
10月3日の内閣府の食品安全委員会が「次世代にも影響しうる発がん性物質」と指摘したのは、化学物質の「アクリルアミド」。
アクリルアミドは遺伝毒性を有する発がん物質」だと正式に公表しました。
厚生労働省のHPから詳しくは
http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/11/tp1101-1.html
を参照ください。
上記のページには「加工食品中のアクリルアミドに関するQ&A」が掲載されています。
この中から、Q3とQ5について抜粋しました。
以下の通り。
- Q3:アクリルアミドの発がん性はどの程度ですか。
- A3:国際がん研究機関(IARC:International Agency for Research on Cancer)による発がん性分類において、アクリルアミドは2A(人に対しておそらく発がん性がある)に分類されています。しかしながら人における発がんについては、現時点で確認されていません。
(参考)国際がん研究機関(IARC)による発がん性分類
分類 | 評価内容 | 例 |
---|---|---|
1 | 人に対して発がん性がある | コールタール、アスベスト、 噛みタバコ、カドミウム等 |
2A | 人に対しておそらく 発がん性がある | アクリルアミド、ベンツピレン(魚の焦げ)、 クレオソト(木材の防腐剤)、ディーゼルエンジンの 排気ガス等 |
2B | 人に対して発がん性を 示す可能性がある | クロロホルム、わらび、コーヒー等 |
3 | 人に対する発がん性に ついては分類できない | カフェイン、お茶、 コレステロール等 |
4 | 人に対しておそらく 発がん性がない | カプロラクタム(ナイロンの原料)等 |
- Q5:わが国でのアクリルアミド濃度測定結果は諸外国と比較してどうですか。
- A5:FAO/WHO専門家会合報告書にある海外5カ国(ノルウェー、スウェーデン、スイス、英国、米国)の結果と比べると、わが国で測定した結果はほぼその値の範囲内です。
(参考)最大値と最小値(単位はμg/kg)
国立衛研 | 海外5カ国 | |
---|---|---|
ポテトチップス | 467~3,544 | 170~2,287 |
フレンチフライ | 512~784 | <50~3,500 |
ビスケット、クラッカー | 53~302 | <30~3,200 |
朝食用シリアル | 113~122 | <30~1,346 |
とうもろこしチップス類 | 117~535 | 34~416 |
食パン、ロールパン | <9~<30 | <30~162 |
チョコレートパウダー | 104~141 | <50~100 |
コーヒーパウダー | 151~231 | 170~230 |
ビール | <3 | <30 |
アクリルアミドとは炭水化物を多く含む食材を高温で加熱調理したときに生じる物質で、ポテトチップス、フライドポテトなどジャガイモを高温で揚げたものや、ビスケット、クッキーなど穀類を原材料とする焼き菓子などに多く含まれると言われています。
学校給食では、どう対応したらよいでしょうか。
保護者や児童生徒への説明は?
炭水化物を多く含む食品を高温で加熱処理したものは、子どもたちに人気の料理が多いですね。
給食にも登場するし家庭でもよく食べられるものなので、それに発がん性のある物質が含まれていているなんて心配になりますよね。
発がん性といえば、かなり前に話題となったものがあります、それは、「ニトロソアミン」です。
アクリルアミドよりもっと発がん性のある「ニトロソアミン」の生成条件は、 亜硝酸とアミンが存在することでその条件下では酸性側にニトロソアミンが生成されます。
食品を例にすると肉や魚のたんぱく質に多く含まれるアミンと、ハム・ソーセージなどの食肉製品、野菜の漬物などに多く含まれる亜硝酸が結合することによって、発がん性のある「ニトロソアミン」が生成されるのです。
詳しく書く機会があったら取り上げてみたいと思います。
その他の発がん性が疑われる食品添加物を見てみましょう。
- 発色剤「亜硝酸Na」
食品の黒ずみを防ぐために使用される添加物。主に使用される食品:明太子、タラコ、ハム、ウインナソーセージ。
- 合成甘味料
「アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK」
人工的に甘味をつけるために使用される添加物。主に使用される食品:ガム、あめ、ゼリー、チョコレートなどの菓子類、清涼飲料水など。カロリーがゼロ、もしくは少量しかないので、ダイエットや健康志向の飲み物、菓子類に使われることが多い。
- 合成甘味料「サッカリンNa(C7H5NO3S)」
発癌性の疑いから、加工食品ではスクラロース・アセスルファムカリウム・アスパルテームなどに取って代わられました。アメリカでは今でも使われているそうです。日本では歯磨き粉等に使用されています。
たとえ微量でも、毎日の歯磨きで口内に残ったものが体内に入ることは避けたいですね。
<サッカリンの発癌性・・・参考>
1960年代の動物実験で雄のラットに膀胱癌の発生が見られました。
それがサッカリンに弱い発癌性があると考えられ、一度使用が禁止されました。
後に雄のラットだけに癌が見られたことから雄ラットに大量のサッカリンを投与した結果、膀胱結石を発症しその刺激から癌化したと考えられるようになりました。
そのため現在は発癌性物質リストから削除されています。
食品衛生法により各食品へのサッカリンの使用量が制限され、外装に使用量が記載されています。
- 色素「タール色素」
食品の色付けに使われる合成着色料。赤色2号、青色2号などの名称で表記されており、全部で12品目あります
主に使用される食品:福神漬け、紅しょうが、菓子パン、清涼飲料水など。
食品以外では口紅などの化粧品に使われることも。
- カラメル色素
ソースの着色に使われる添加物。
添加物表示の表記は「カラメル色素」「カラメル」で統一されています。
主に使用される食品:カレールウ、カップ麺、のりの佃煮、プリンのカラメル。
- 防カビ剤
OPP(オルトフェニルフェノール)
TBZ(チアベンダゾール)
柑橘系の果物の皮に散布し、カビを予防する薬剤。
主に使用される食品:オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどのかんきつ類。
OPPには発がん性があり、TBZは胎児に先天性障害を起こすことがわかっています。
皮ごと食べたり、皮をマーマレードにするのは避けたほうが良いです。
- 合成保存料「安息香酸Na」
食品の安定した保存のため使用される添加物。
主に使用される食品:栄養ドリンク、清涼飲料水など。
もともと毒性が強いうえに、ビタミンCと反応すると、白血病を起こす発がん性物質「ベンゼン」に変化する。
- 食品防腐剤(抗酸化剤)
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
食品を腐らせないようにして消費期限を長くするための添加物。
主にBHAが使用される食品:魚介乾製品(煮干し他)、油脂、バター。食品以外では、化粧品にも使用。
このBHAは、動物実験でがんを起こす可能性が指摘されています。
BHAと似た物質のBHTは、現在は食品には使われていなくて主に化粧品やボディーシャンプーなどに使われています。
口紅は唾液に混じって体内に入ってしまいます。
BHTの表示のあるものは使わないほうがいいと思います。
BHTはポリプロピレン食器、容器の酸化防止剤としても使われてきましたが、現在では使われていないそうです。
子供たち私たちの健康を守るために、口に入る食品や身の回りの製品に使用されている食品添加物をチェックする習慣を身につけましょう!