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塾(第8回)

回転寿司のネタ表示は正確なのでしょうか?

 近年、ホテルやレストランで「食材偽装表示」や外食産業の「不適切な表示」などが問題となった事件がありました。賞味期限切れや産地偽装など、倒産にまで発展した老舗の料亭の『船場吉兆』は一度営業を再開したものの、客の食べ残し料理の使い回しが発覚し、客足が遠退き廃業。

海老の偽装を誤表示と言って問題をさらに大きくした『阪急ホテル』、食材の再利用と消費期限を偽装した『赤福』や『白い恋人』・・・・・。

その他、牛脂を注入した牛肉や成型肉のステーキなどを、加工肉であることを表記せずにサーロインステーキや牛ひれステーキとメニューに出していた『不二家レストラン』などなど、きりがないくらい世間を騒がせましたね。

さて、次の施設でも問題が起きましたが、何だったか覚えていますか? 

帝国ホテル、椿山荘、ロイヤルホテル、ホテルオークラ、ホテルイタリア軒(新潟市中央区)、高島屋のレストランと食品売場、三越、伊勢丹、西武デパート、大丸、松坂屋百貨店、コメダ珈琲店などなど。

 私は何が問題になったのか思い出せませんでした。おぼろげながらの記憶をたどっていくと、100%果汁でないフレッシュジュースを出したとか、や種類の違った海老を伊勢エビと偽装だったかな?という程度です。
あまりの多さに私たち消費者の目もくらんでしまいました。
こういった問題が続く中、昨年12月消費者庁が「適正表示のガイドライン案」を公表しました。

消費者庁HP http://www.caa.go.jp/index.html 

このガイドラインを巡って、外食産業界では広く親しまれている「サーモン」を正しくは「ニジマス」と表示しなくてはならず、それでは売れないと、「鮭弁当」も「にじます弁当」では、と反発しているそうです。
一方、消費者団体は「正確な名称を表示することが食の安全、安心につながる」として規制を支持しているそうです。(支持しています。)

このガイドラインをきちんと守ると、大きな影響を受けるのは回転寿司業界でしょう。さっそくその寿司ネタについて調べてみました。

その前に代用魚(だいようぎょ)について説明しておきましょう。
私たち消費者にとっては偽装魚ということになりますが、漁業流通業界では「代用魚」という呼び方が一般的で、漁獲高が低迷してきたころから本物にとって代わってその地位を確立していきました。

代用魚とは、日本で古くから食用とされてきた魚介類の代用として、近年利用されている魚介類を指し、従来は国内で流通・消費されてこなかった外国魚・深海魚などが使われています。なぜ使われるかといえば

・代用魚は高級魚への代用、大衆魚の資源枯渇を防止するため使用する
・漁業資源の安定供給やコスト削減を目的として使う
・従来の魚と味が似ているため代用しやすい(ただし、外見が異なるものが多いため、切り身や加工品として売られる)

この代用魚は、主に外食産業や学校給食での白身フライなどの加工食品、回転寿司のネタなどに使われるそうです。しかし、人工いくらのようにコレステロールがなく健康志向にあった物や、シシャモのように代用魚の方が主流となった例もあります。

寿司ネタに使われる代用魚

  • 「くろまぐろや本鮪」
    くろまぐろや本鮪と表記されている大トロや中トロは、アロツナスやガストロという魚で代用されていることがあります。
    アロツナス:南太平洋の亜熱帯から亜寒帯海域に生息し、体長は70~80cmぐらいで肉質がマグロ類に比べ、やや黒っぽく脂肪分が多い。
    ガストロ:体長最大200cm、南半球の南緯30度以南の広い海域に生息し、肉質が白身のため白い鮪として握られることが多い。
    また、淡白なキハダ鮪・メバチ鮪に、植物油・とろみ油や添加物の液に浸けて本鮪やくろまぐろの大トロ・中トロに見せかけることもあるそうです。他の代用魚としては、次のようなものがあります。
  • 「ぶり(鰤)」
    シルバーワレフ(ニュージーランド南部・オーストラリア南部に生息)、オキメダイ(イボダイの仲間)。
  • 「たい(鯛)」
    ナイルテラピアアメリカナマズ、国内の大型のボラも使われるそうです。
  • 「ネギトロなどに使われるトロ)」
    トロはアカマンボウを使用しています。アカマンボウは北海道以南、 世界中の温帯・熱帯海域に生息し、肉が赤く脂っこいために、回転寿司の鮪ネタやかじきの切身としても使われるそうです。
  • 「鰯(いわし)」
    スプラットとという北欧産のニシン科の魚を冷凍輸入して使用。
  • 「カンパチ(間八)、ハマチ(魬)」
    カンパチ(間八)、ハマチ(魬)はピルチャードという鰯の仲間で、米国・カナダ・オランダ産のものが使われます。
  • 「平政(ひらまさ)、縞鯵(しまあじ)」
    コバンザメの近縁種で大型魚のスギシイラは植物油浸けにして平政(ひらまさ)、縞鯵(しまあじ)などの代用にも使われます。
  • 「えんがわ」
    えんがわは、巨大な深海魚のオヒョウ(最大2~3m)の縁側を使うか、カラスガレイ(最大1m位)の縁側を使うのだそうです。

こうして調べてみると知らないことばかりでした。代用魚の写真を見ると「何この魚、見たことない。」と思うばかりで、味を想像することもできませんでした。
きっと代用魚の名前を表示したら、拒絶反応で食べられない人が続出するのではないでしょうか。だからと言ってこのままでいいはずもなく、「消費者庁ガイドライン」は必要であり大切なことだと思います。
こういった代用魚は人間だけが食べるのではなく、犬や猫のエサ(缶詰)の原料にもなるそうです。今回調べてみて、いろいろ考えさせられてしまいました。

まだまだ代用魚が使われているものがありますよ。「甘エビ」「赤貝」「あなご」「あわび」などなど、少しずつ小出しにしていければと思うので、次回も調べたことを書きます。

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